Law and Penalty

（しんこくざい）

親告罪とは、告訴がなければ公訴を提起することができない犯罪をいう。
告訴を欠く公訴は、訴訟条件を欠くものとして判決で公訴棄却とされる。
親告罪の例

• 強制わいせつ罪


• 強姦罪


• 準強制わいせつ罪


• 準強姦罪


• 未成年者略取及び誘拐罪


• 営利目的等略取及び誘拐罪


• 名誉毀損罪


• 侮辱罪


• 信書開封罪


• 秘密漏示罪


• ストーカー規制法違反

• 過失傷害罪


• 私用文書等毀棄罪


• 器物損壊罪


• 信書隠匿罪

• 親族間の窃盗罪 (親族相盗例)


• 親族間の不動産侵奪罪 (親族相盗例)


• 親族間の詐欺罪 (親族相盗例)


• 親族間の恐喝罪 (親族相盗例)


• 親族間の横領罪 (親族相盗例)

• 著作権法違反


• 各種税法違反(告発)

告訴権者
・被害者の法定代理人（同法231条1項）

・被害者が死亡したときは、被害者の明示した意志に反しない限り、被害者の配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹（同法231条2項）

・被害者の法定代理人が被疑者・被疑者の配偶者・被疑者の4親等内の血族若しくは3親等内の姻族であるときは、被害者の親族（同法232条）

・死者に対する名誉毀損罪（刑法230条2項）については、死者の親族又は子孫（刑事訴訟法233条1項）

・名誉毀損罪について被害者が告訴せず死亡した場合は、被害者の明示した意志に反しない限り、その親族又は子孫（同法233条2項）

・親告罪において告訴権者がいない場合は、検察官が利害関係者からの申し立てにより告訴権者を指名する（同法234条）

告訴期間
原則として犯人を知った日から6か月経過後は告訴することができない（刑事訴訟法235条1項柱書本文）。

告訴不可分の原則
共犯の一人ないし数人に対して告訴した場合は、他の告訴されていない共犯者に対しても告訴の効力が及ぶ（刑事訴訟法238条1項）。